EPEE~パンに秘めた∞無限大の可能性〜


今回のパンCHECK!1,2は吉祥寺の人気店EPEEさんにお邪魔しまして、パン部門のシェフ「神林慎吾さん」にお話うかがいました!

エペさんは以前ワインとパンと料理の会にお招きいただき、とてもすてきなマリアージュを体験させていただきましたが、その際、神林シェフにぜひもっとパンのお話を伺いたい!と中田が熱望して、今回お忙しい中時間を取っていただき実現しました。

パン屋をつくる人にとっても、食べる人にとってもとても貴重なお話を聴けましたのでぜひご一読どうぞ!

fullsizerender-3

vol.3 EPEE written by kame〜パンに秘めた∞無限大の可能性〜

ーパンを志したきっかけはなんですか?
神林シェフ(以下K)「大学時代、たまたま家の紹介で入ったバイト先で、そこはパンとケーキのお店だったんですが、そこで売り子みたいなことをしてました。たまたま機会があって、パンを触らせてもらうことになった時、すごく筋がいいって褒められてそれがパンに嵌まるきっかけになったと思います。」
自分のこれからの進路を考えた時、自分にはこれしかないと思い大学をそのまま中退。そのパン屋さんに就職します。
fullsizerender-4
ー不安はなかったですか?
K「むしろ、自分に向いているのものが見つかったっていう嬉しさのほうが。自分は不器用なんで、それまで何かやってもうまく行かなかったことのほうが多かったんで。」
こんな芸術的なパンを多くつくる神林シェフがこんなことおっしゃるなんて意外な気がします。
K「でもパンに関しては、誰よりもはまれる自信があったので、こんなおもしろいものに一生携われるなら」

ーどんなところにパンの魅力を感じられたんでしょうか?
K「パンは作り手の思いが全部のるでしょう?技術より作り手の思いで出来上がるのがパンです。機械を組み立てるのとは大きな違い。手先の器用、不器用云々は影響しない。」
なるほど〜。たしかにわたしもかなり不器用なほうだけど、そんな私でもパンなら美味しくできる(ような気がする)。
K「センスなんてなくても美味しいパンは作れるから。大事なのはパンが生きているということ。作り手の思いがいちばんパンを美味しくする。」
わたしが日々感じてることを、神林シェフが言ってくださると、すごく肯定された気がして嬉しい。
K「何かを食べたときに、甘いとか辛い、もちもち、歯ごたえ色々感じますよね、そういう個々の味ではなく、全部ひっくるめて美味しいと感じるかが大事。感じることが美味しさだと思うから。」
またパンの美味しさは作り手の体調や心境も影響する。
K「たとえば体調悪いとき作ってもけっして美味しくはならない。また気持ちが入らないとおいしくならない。」
img_6707
K「そういう意味で、主婦の方が始められたパン屋や、ご夫婦でされてる個人パン屋さんは脅威ですよね。美味しくない訳がない。」

神林シェフは30代のとき、国分寺にてキニョンをオープン。
事業が拡大するにつれ、そこを離れ今度は知人のケーキ屋さんの紹介で工場の片隅でベーグル店カロンを開きます。
どちらも現在でも人気のパン屋さんとベーグル店です。

「僕、飽きっぽいんで〜」と笑いながらも、なかなかどうしてお店を何店も軌道にのせてから、それを置いて
また次ののチャレンジに移ってしまう神林さんは本当にすごいシェフだなぁと感動せざるを得ませんでした。

3年前今のお店に来たのは、神林シェフがつぎのパンの可能性を模索していたとき。
「たまたまこのエペを運営している会社の社長さんと縁あって知り合い、話をしていくうちに『料理とパン』の組合せって面白そうだと思って」。
でも難しい。パンはなんでもいい。焼き立てなら。この料理なら、このパンじゃなくちゃだめだというのを追求したい。
この料理ならこのパンというのをつきつめたい。話していると神林シェフの熱意が伝わってきます。
img_6721
ーホームベーカリーの普及でご家庭でもパンを焼く方が増えましたが、家で焼くときにコツなどはありますか?
K「パンは熟成。パンは発酵だけでなく熟成が大事。発酵食品は熟成しないと本来の美味しさがでない。
パンを長く熟成させると、皮が硬くなり、噛みごたえがでます。パンを軽さで選ぶか、生地を味わうか。どっちを作りたいかにもよりますが、それに合わせて酵母や材料を選ぶ基準にするといい。」

ー使う食材なども、こだわったほうがいいんでしょうか?
「美味しさを引き出すためには良い材料が必要だけど、最初はそんなにこだわらなくて良いですよ。近所のスーパーに並んでる食材で。何回も試していくうちに、だんだんこだわって行くと思うので、その時食材にもこだわれば良い。
重要なのは1時間でつくるより、ゆっくり作ること。熟成が美味しいパンづくりの鍵です。」
img_6712
「最終的にどこにいきたいかですが、美味しくてカラダにいいものを作ったら良い。技術者になる必要はないです。
お店都合だとイーストフードや添加剤を入れなきゃならない場合もあるけど、家庭で食べるパンなら成形にこだわらないで気持ちを込めた、パンを作ればよいと思います。」
今後パンを作る上で大変勉強になるアドバイスをいただきました。

ーでは最後に、神林シェフにとってパンとは?
K「パンは自分自身ですよね。」

「だって、パンは自分を表現出来るもの。言葉使って、自分こういう人間ですって紹介したとしても、本当にそうかな〜って思うときはあるし。自分が焼いたパンを食べてもらったときに感想を聞くと、それが自分だなと思える。パンが自分を表現できるものだから。だから自分自身だと思う。自分が焼いてるパンて自分より自分だなって思う時がある。」

「パンがあって自分を表現できるようになったし、パンがあったから自分の人生が楽しいと思えるようになったし、パンは己です。これから一生勉強だし、一生向き合わなきゃとも思うし、、、でも間違いなく一生楽しいんだろうなって思います。」

神林シェフは最後にこうもおっしゃってました。「食の世界は、理屈ではなく、感じるか感じないからだから。
食の世界はシンプルだからこそ、自分が出るもの。理屈ではない。頭ではない。気持ち。

何十年もこの世界にいるシェフですら、まだまだ一生勉強だと言わしめるパン。こんな奥の深いパンだからこそ、私たちを魅了するのだと改めて感じました。
img_6719

<ブーランジェリー・ビストロ・エペ/Boulangerie Bistro EPEE>
https://www.facebook.com/BoulangerieBistroEPEE/
http://www.mothersgroup.jp/shop/mothers_epee.html
〒180-0003東京都武蔵野市吉祥寺南町1-10-4
TEL0422-72-1030
*定期的に「ワインとパンと料理の会」が開かれています。気になる方は直接お店へお問い合わせしてみてくださいね。

2016-10-13 | Posted in BLOG, パンCHECK!ワン!ツー!No Comments » 

関連記事