ぱんノート〜自分が自分らしくいるためにパンを焼こう〜


「パンCHECK!1、2!」
それは、パン屋さんのストーリーを探る旅。
独自のストーリーが味を作り、お店を作り、ファンを作る。

今回は、稲城の住宅街に工房を持ち、青山ファーマーズマーケットなどイベント出店を中心にパンを販売する「ぱんノート」のたかやちかこさんにオオトがお話を伺いました!
「一度決めちゃうと突っ走っちゃうタイプなの♪」と笑いながらお話してくださったたかやさん。その行動力にびっくりです。そして、60歳になった時の夢とは・・・??どうぞお楽しみください♪

vol.3 ぱんノート〜自分が自分らしくいるためにパンを焼こう〜
written by オオトヨウコ

今回訪ねたのは、東京都稲城市。よみうりランドがある場所、と言えば少しイメージがつくでしょうか?調布市の隣。私は今まで訪れたことはなかったのですが、パンイチ!を開催している吉祥寺とは実は距離的には近い場所にあります。

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とはいえ、見てください、この風景!!「梨やぶどう」の産地だそうです。住宅街の中に畑が広がるのんびりとした風景が広がります。
そんな町の一角のマンションにぱんノートさんの工房はあります。

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2007年に天然酵母パンの店「そらら」としてオープン。2013年に「そらら」は閉店。少しの充電期間をへて、「ぱんノート」として新たに再開。今は週末のイベント出店と出店前日の工房販売、パンと料理の教室などをされています。

●子供の帰りを待てる場所。自宅マンションの1階に工房をオープン●
小さい頃から焼き菓子を焼くのが大好きだった、というたかやさん。ご結婚されてからも焼き菓子、そして天然酵母パンを焼く事を趣味として続けていく中、お知り合いに誘われ、パンと焼き菓子のイベント販売を行なったのが始まり。「これを仕事にして行きたい!」と強く感じたといいます。
そして一念発起。半年後にはこの場所に工房をオープンさせてしまったという行動派!
2007年に天然酵母パンの店「そらら」としてオープン。3人のお子さんは小学生。当時住んでいたマンションの1階の角部屋物件が空いたという情報をゲットし、さっそく不動産屋さんに交渉したそうです。
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大家さんがキッチンを新しくしようとしていたところを交渉し、住宅用のキッチンをいれずにオーブンと必要なシンクとコンロをご自身で設置。もともと住居スペースであった場所に、パンをこねる部屋、事務所、パンを焼くスペース、売り場とイートインスペース(当時は店頭販売もされていた)を作りお店をオープンされました。
駅から徒歩10分の住宅街。中々気づかれないマンションの一角なので、大きい通りに看板を出したりと工夫をされたそうです。
店舗販売とイベント販売や卸販売など、寝る間も惜しんでパンを焼く日々を過ごします。現在のぱんノートさんのスタイル「国産小麦」「ノンオイル」「天然酵母」のパンはこの「そらら」を営業する年月の中で徐々に確立されていきます。

●なぜ、パンを焼いているのだろう?●
お店をオープンしてから6年。2013年に、たかやさんは、それまで週に5日営業していた「そらら」を閉店します。幼い頃から好きだったお菓子作りから始まり、子育てをしながら「パン屋」という仕事を始め、ひたすら走り続ける中で、自分が「なぜパンを焼いているのか?」がわからなくなってしまったと言います。
パンを焼く仕事というのは、長時間労働が基本です。さらにたかやさんのような長時間発酵のスタイルは、仕込みにもさらに時間がかかります。週に5日の店舗販売と週末のイベント販売をやっていらっしゃった、というのですから、本当に、「寝る間を惜しんで」働いていらっしゃったのだと思います。(余談ですが、初めて、パンイチ!に出店してくださった際も、ぱんノートさんは「この量を一人で焼いてるの?!」と私たちがびっくりしてしまうほどの量のパンをご用意してご出店くださっていて、ご自分でも「やりすぎてしまうのよ〜。ほほほ。」と笑っておりました。)

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2013年末にお店を閉店をし、工房であったスペースはお知り合いが引き続き使う事となり、たかやさんは会社員としての生活をスタートさせます。

●もう一度パンを焼こう。●
会社員として勤務されたのは、オーガニックの小麦を使った天然酵母パンを扱う会社。パン屋としての知識と経験を買われての入社でした。
しかし、勤務を始めてからすぐ、「仕事中は自分自身でいられない」というパン屋時代には考えられなかった違和感を感じるようになります。
また、体に良いとされるものを扱っていながら、賞味期限前に大量に処分されていくパンを目の辺りにして、「しょうがない」では割り切れない思いを抱き始めたと言います。

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大好きなパンを扱っていながら、本心とは違うことを仕事として行わなくてはならない。
一方、子供達は、お母さんにが土日に家にいてくれることを喜んでくれている。

たくさんの葛藤を抱えながら、きっとお話してくださったことよりももっともっとたくさんのことを悩んでいらっしゃったであろうと思いますが、「やっぱり自分自身で美味しいと思えるパンを焼きたい。」という思いへ至り、「ぱんノート」として新たにお店を開くことを決意します。それまでの間、工房であったスペースはお知り合いが使いながら残してくださっていました。そして、たかやさんがパン屋を再開することになった時、「待ってたよ!」と場所をそのまま使えるように明け渡してくれることになりました。

現在は週末のイベント出店と通信販売、出店前日の工房販売、雑貨店への卸販売のほか、パンと料理の教室などをされています。「無理をしない!」が今年の目標だそうです!

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●酵母の話●
パンcheck、1、2!のインタビューで、やはり聞かなくてはならないのは、「酵母」の話。
人間のストーリーに焦点を当てたインタビューでありながら、やはり「どんな酵母を使っているんですか?」と聞くことで、さらにその人自身のストーリーも見えてくるのが、パン屋の面白いところ。
イーストであるのか、(どのような使いかたをしているのか)、それ以外の市販の酵母なのか、もしくは店舗で培養しているのか。どれも美味しさには様々あるのですが、どの選択をしているのか、というところを探るのは実に面白いことであります。
あ、マニアックですか?すいません。お付き合いくださいませ!

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さて、話は逸れましたが、ぱんノートさんの酵母スタイル!!(勝手に造語しました)は、

「自家培養の酵母」です!
ぶどう(写真手前)、りんごの2種類を使い分けているそうです。
そして、この酵母、なんと9年もの間かけ継ぎされているもの!!!ジュースを餌に培養し続けているそうです。
この液種に小麦粉と水を加えてその週に使う分の中種を作り、パンに加えます。液種を使った分だけジュースを加えることで、いつまでも元気な酵母でいてくれている、とのこと!!
もはや、食べ物ではなく、ペットですね。旅行にも連れて行くそうです。
そして、仕込んだ生地は、15時間以上低温で1次発酵させてから作業に取り掛かります。長い時間をかけて発酵させることで、日持ちがよく、小麦の風味が生かされたパンが出来上がります。

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●将来の夢?●
ふと「パン屋やってなかったら、何になってました?」と私が聞くと、「家が好きで、建築関係とかインテリアとかかな?」とお答えいただきました。
そして、家にまつわるお話をしていたら、実は、おばあちゃんになるまでにやりたいことがあるんだ、という話になり、「60歳になったら、子供達の家族のために家を建ててあげたいんだよね!」と!!
建築の学校にも通いたい!と目をキラキラさせて話すたかやさんを見て、
「この人なら、やってしまいそう。。。!」と私までワクワクしてしまったのでした。穏やかながら、底知れぬバイタリティーの持ち主。たかやちかこさん。

パンに関しても、「天然酵母」「ノンオイル」「国産小麦」「生地には動物性不使用」というこだわりを持ちつつも、「なんでもダメ!と言うのは窮屈だし、パンにバターのせて食べてもあんバターでもいいじゃん??美味しいんだから!」というおおらかなスタイルはとても共感いたしました!

パンとお料理の教室や西荻窪での販売もスタートし、ますます今後が楽しみな「ぱんノート」さん。パンイチ!も応援しております!!

<ぱんノート>
http://pannote.sakura.ne.jp/
https://www.facebook.com/pannote/
東京都稲城市東長沼1724-4パストラルハイツ106号室

●初のレシピ本も発売されました!!世界一かんたんに作れる ぐるぐるパン ちぎりパン●

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家庭で再現できることをテーマに、イーストを少量使い、ゆっくりと長時間発酵させるパンのレシピを提案されています。ぱんノートさんでもおなじみのぐるぐるパン。
甘い菓子パンだけでなく、おつまみや食事にもなる惣菜をぐるぐる巻いたパンもあるので、レパートリーもたくさん広がります!!
詳細はこちらから。

2016-10-01 | Posted in BLOG, パンCHECK!ワン!ツー!No Comments » 

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